アートと仲良くなる方法

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※こちらのコラムは、特定の読者やご依頼主さまを想定しておらず、一般的な内容となっております。
一例として、ECサイトを運営なさっているお客さまでしたらこちら、インテリア雑貨を扱う方はこちらから、お店や商品をPRするといったことが可能です。


「アート」や「芸術」と聞くと、気になるけれど難しそうだと尻込みしたり、きっかけが掴めないと距離を感じる人は少なくありません。
一方で、好きな人は大好きという分野でもあります。

頻繁に美術館に通う友達や芸術の知識が豊富な人と話すと、「どうしてこの人は生活にアートがなじんでいるの?きっとセンスがいいからだよね……」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

アートと距離を縮めてみたいそこのあなた、アートに招待状を送ってみませんか?
アートへの招待状ではないことにご注意ください。
あなたのお家にアート作品を招いてみましょう

はじめに

「アートを飾る」と聞くと、いわゆる豪邸やお洒落な建築を思い浮かべる方もいるでしょう。
そんなふうに気負ってしまってはもったいない!

ここでひとつ、スタイリッシュな皮肉をご紹介します。
映画『ノクターナル・アニマルズ』(2016年公開、監督トム・フォード、主演エイミー・アダムス)には、実在するアート作品がいくつも登場します。
主人公はギャラリーのオーナー。モダンな邸宅やオフィスに、数々の作品が絶妙なタイミングで映し出されます。

たとえば、Joan Mitchellの絵画 “Looking for a Needle”、 Richard Misrachの写真”Desert Fire #153 (Man with Rifle)”、 Jeff Koonsの巨大な”Ballon Dog”やDamien Hirstの”Saint Sebastian”といった作品が登場します。 

「こんな豪邸に住んで、そんな職業だもんね。それに引きかえ我が家は……」
と自分との違いに遠い目になってしまいそうですが、実はこの主人公、ちっともアートと上手くいっていません。
自らが企画したイベントの後の食事会でも、作品を”junk is junk” (ゴミはゴミ)と言ってはばかることなく、どう見てもアートが好きには思えないのです。

この映画の主題は主人公とアートの仲ではありませんが、芸術の専門知識があり、沢山の作品に囲まれている人がそれによって満たされているわけではないということが如実に映し出されています。    

アートで生活を彩ることと、知識や量、それにかけるお金は関係ありません。
「アートと芸術の違いは?」なんて指摘も、ここでは忘れてしまいましょう!

STEP1 作品と出会う

作品と出会わないことにはなにもはじまりません。

と言っても、アートとはどこで、どうやって出会うことができるのか?そもそもアートにはどんな種類があるのか?まずはそこから確認してみましょう。

1 オリジナルか複製品か?

ご存知の通り、アートのなかには数十億円を越える非常に高価なものも少なくありません。
そうした作品は主に美術館やコレクターによって所有されています。
展覧会やイベントを訪れることで、わたしたちはそうした作品に触れることができます。

さて、美術作品の一部はなぜこれほど高価なのか。
それには知名度や人気だけでなく、オリジナルが1点(あるいは数点)のみという限定性も関係しています。限定性は価値を高め、芸術作品は投資対象にもなり得ます。

だからと言ってそんな高価な作品だけでは、美術館やギャラリーで鑑賞する以外に、わたしたちとアートの接点がなくなってしまいます。

そこで、もっと身近に作品の鑑賞や所有ができるようにと、オリジナルを複製した商品も存在しています。
オリジナルと複製品の違いをみてみましょう。

オリジナル:
原作、複製されるもととなる作品。価格は様々だが、複製品に比べるとオリジナルの方が高価。人気作品であれば資産価値も高い。
例えば、絵画であれば筆致や絵具の凹凸など、作者の呼吸が感じられる。限定性をもつ。

複製品:
オリジナル作品の模写や写真のリプリントなど、オリジナル作品をコピー(複製)したもの。
オリジナルに比べると安価。有名絵画のポストカードから、原寸大の模写、巨大なオブジェを机上に置けるようにサイズや素材を変更したものなど様々。
素材や複製技術などにより高価なものもあれば、粗悪品もあり、オリジナルと比べると資産価値は低い。

2 作品の種類(平面 or 立体)

アートは幅広く、何から何までアートと呼ぶのか議論されることも少なくありません。
例えば香りや詩はアートなのか……? そんなことを考えてしまうと話は違う方向へ進んでしまうので、
ここでは「家に飾る」という観点から、アートをシンプルに下記の2種類に分けてみます。

平面:
・絵画、写真、テキスタイルなど壁面に貼ったり、壁に立てかけたりできるもの
・奥行きが浅いもの

立体:
・彫像、人形、陶器やガラス等、机やテーブル、床などの上に置くもの
・奥行きがあるもの

平面と立体では、その設置方法も異なります。

平面:
額装・貼る・吊るす・立てかけるといった方法で設置することが多いです。
家に釘を刺す、紐やワイヤーで固定するといった作業が発生する場合もあります。
また、額縁、マット、写真立てといった道具も必要です。
画鋲などでシンプルに固定する方法もありますが、一手間加えるだけで、作品の魅力がより引き立ちます。
最近は、賃貸物件でも使いやすい、穴が目立ちにくいフレーム等も販売されています。

立体:
作品単体で設置できることがあります。
平面の作品に比べると場所を取るものの、自立する物が多く、その場合は支える道具が必要ありません。
陶器、ガラス製の花器、オブジェなど、スペースさえ決めてしまえば、設置で困ることは少ないでしょう。

3 どこで出会う

次にどこで作品に出会えるのかを考えてみましょう。
アートは、かたち・質感・色といった感覚に訴えるものなので、実物を体感するのが一番ですが、現代において出会い方は様々です。

➀ 展覧会の物品販売や美術館に併設されているショップ

最も気軽に購入できる場所のひとつ。
ポストカードやミニサイズのオブジェなど、関連グッズの物品販売がない展覧会はまずありません。
そのときの企画展の関連アイテムはもちろん、美術館のセレクトで貴重な物が手に入ることもあります。

最近は魅力的なミュージアムショップが増えています。

② ECサイト(ネットショップ)

有名無名に関係なく、世界中の作品から自分にぴったりな作品を探すことができるのがECサイトです。
出会いの数が最も多いことは言うまでもありません。

注意が必要なのは、現物を確認できないこと。また、海外のショップから購入する場合、送料が高い場合や、破損の恐れがあるということです。
信頼できるショップから購入しましょう。

③ ギャラリー、画廊

オリジナルを求める人や、専門家からのアドバイスも頼りに購入したい人に向いています。
資産価値、保存の仕方、額装などあらゆる面をサポートしてもらえます。
オーナの趣味嗜好が作品に反映されるので、事前にWEBサイト等を通して、ご自身との相性を確かめておきましょう。

はじめて入るとき、勇気がいるかもしれません。そんな方は、次にご紹介するイベントの開催時期に訪れてみましょう。一歩踏み出しやすいはずです。

④ 個展などのイベント

イベントはギャラリーや画廊で開催されることもあれば、雑貨店や喫茶店で開かれることもあります。
イベントや展示会の魅力は、在廊中の作家本人から話を聞ける場合があること。期間中の何日か、在廊する作家は多いです。作品の背景を知って購入することでより愛着が湧きます。

オリジナルでありながら、価格帯が幅広いのも特徴です。
大きな出会いが待っているかもしれません。

気軽さ価格種類の豊富さ備考
美術展の物品販売¥~¥¥¥△~〇
ECサイト¥~¥¥¥¥¥価格や送料に注意
店の信頼性も確認
ギャラリー¥¥~¥¥¥¥¥
個展等のイベント¥~¥¥¥¥¥作家本人の話を聞けるかも

あなたにぴったりの作品に出会えそうな場所が見えてきましたか?
気負わずに作品を購入できるのは、ミュージアムショップです。
ポストカード1枚でも、それを飾ることで展覧会の余韻に浸ることができます。図録を開いてディスプレイするのもあり。

幅広い作品から自分の感性に合致する作品を求めるならば、ネットショップが有力です。
特にSNSは、自分の感性に合う商品が見つかりやすい場所です。新進気鋭の作家の作品から、アンティークのポスターまで見つかります。

一方で、客観的なアドバイスも頼りに作品を探したいという方に最適なのが、ギャラリーや個展等のイベント。そのギャラリーが取り扱う作品の傾向や、イベントの内容が自分好みである場合、臆せずに行ってみることをお勧めします。

STEP2 作品の居場所を考える

早速、アートとの出会いを求めて出掛けよう!といきたいところですが、その前にもうひとつ、検討しておきたいことがあります。

それは作品の居場所、つまりどこに飾るかです。
間取りにもよりますが、今回は4つのおすすめスペースをご紹介します。

1 玄関

「ただいま」「行ってきます」のスペースには、気分を切り替えられる作品が似合います。

また、玄関の特徴として、家から出る時と家に入ってきた時では、わたしたちの視線の方向が「逆」ということがあります。それを活かして、次のように違うタイプの作品を飾ってみます。

家に着いたときはあたたかな、ほっとする作品
元気に出掛けるときは、少し高い見上げる位置にエネルギッシュな作品

玄関にはあまり陽が射さないことが多いため、作品が劣化しにくいという利点もあります。
一方で光や影による変化を楽しむ機会は少ないです。

また、人が出入りする場所なので、他人の目もあります。
内省的な作品はお家の中に潜ませて、玄関には幅広い層に好まれそうな作品をキュレーター気分で選ぶと楽しいかもしれませんね。

2 寝室


プライベートな空間なので、自分だけのお気に入りを飾るのに最適です。
よくあるレイアウトに、長方形の作品をベットや布団を敷くスペースの横幅に飾る方法があります。
頭上にスペースを確保するのが難しければ、側面に飾ってみても面白いです。
素敵な夢を見るために、くれぐれも落下には注意して飾りましょう。

3 リビング

最も光の変化がある場所です。
カーテンからの朝日、日中の強い陽射し、夕食時の照明、夜のライト、暗闇と、時間と共におとずれる光の変化は、作品の違う面を引き出します。

絵画や写真も良いですが、例えば、オブジェや器に生けた花といった複雑なかたちを持つ作品は、時間によってまるで違った姿で魅せてくれます。

大きな影を見ることで、花やオブジェ本体のかたちを鮮烈に感じ、はっとする瞬間が生まれます。
食事をとったり読書したり、様々なシーンで活用する空間には存在感の強い立体作品がよいアクセントになります。

4 キッチン

意外と面白いのがキッチンにアートを取り入れることです。
お皿、お気に入りのドリッパーにスパイスラックと、台所には色々な道具が並んでいます。
水や油が飛び散る場所でもあるので、汚れる心配もあります。

だからこそ、そんなことを気にしなくてOKな気軽な作品を選びましょう。例えば、絵画のポストカードを壁の開いているスペースにピタッと貼る。火気もあるので場所に気をつけて、剥がれないようにしっかりと固定します。

さて、これはただのアクセントでは終りません。
料理をしているとちょっとした待ち時間がありませんか?

例えば、
・薬缶でお湯を沸かしているとき
・パンの焼き上がりを待つ残りの04:20
・コーヒーのドリップ中
ふとした時に絵を見る。すると、以前は全然見えなかったものが見える瞬間があります。

敢えて「よくわからない」「これってなに?」という抽象的な作品を選ぶと、「あれ、もしかして?」とピンとくる瞬間が……。
料理をしていると、なぜか悩み事を忘れていたという経験はありませんか?
面倒なことを考えず作品をあじわう。とっても手軽で素敵な方法です。

なんとなく、飾ってみたい作品と場所がイメージできたでしょうか。

作品の種類 × 飾る場所 と考えると、作品に出会える場所がイメージしやすくなります。

例えば、

オリジナル × 立体(手のひらにのるくらいの陶器のオブジェ) × 玄関 = 個展、ネットショップ

複製品 × 平面(写真) × キッチン =現代アートに強いミュージアムショップ

STEP3 今度はアートが誘ってくれる

家のなかで、色々な姿をみせてくれるアート。
仲良くなると、今度はアートがあなたを新しい世界へ誘ってくれます。

  • 美術館など新しい場所へ:新しい作家やギャラリー、イベントなどに目や足が向くようになり、世界がひろがります。
  • 自分でつくる:描く、彫る、撮る、活ける……それに伴って道具を揃えたり、教室へ通ったり、新しい行動がうまれます。
  • 多くの人と共有する:ギャラリー感覚で自宅に友達を招待して、一緒に作品を楽しむのも素敵です。
  • ふとした瞬間がうまれる:世界が広がるわけでも、行動につながるわけでもなく、誰かと共有する気もない。それでまったく構いません。アートと仲良くなって一番嬉しいこと、それは、自分のなかの感情や思い出、時間のうつろいなどを感じるふとした瞬間がうまれ、生活に余韻ができることです。
    「思いがけず作品と目が合っただけなのになんだか気分が変わった」きっとあなたはそんな体験をするはずです。
    風や色、湿度などの変化から季節の変化を感じるように、あなたのこころのなかの変化を感じさせてくれるもの、それがアートです。

さあ、空気が澄んできました。秋です。
素敵なアート作品に、招待状を送ってみませんか?


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